ほぼお笑いのこと

ライターみらいの趣味ブログ。お笑いを愛している。@miraitokako0929 インスタもやってますー!

『オードリーのオールナイトニッポン』はどうしてあんなに切ないのか

オードリーのオールナイトニッポンを聴いているとどうしてこうも切なくなるのだろう。

 

二人の会話の中には、いつも少年時代のほのかな哀愁が漂っている。深夜1時から3時までの2時間の中にあるのは、もう戻らない不変の事実と、止められない速度で変わりつづける現在の2つ。それらがうまく交差しているから、視聴者はオードリーの長い歴史を少しずつ、根気強く紐解いていっているような心持ちになるのだと思う。面白くてちょっとばかし内向的な男たちの人生の、ささやかな物語の匂いが嫌でもしてしまうのがオードリのオールナイトニッポンなのである。

 

最近若林さんにおめでたいニュースがありリスナーが倍増したようなので、これを機に彼らのラジオの魅力をなるべくセンチメンタルに語ってみたい。

 

まず、オードリーとはいったいどういったコンビなのか。

彼らは中学生からの幼馴染。まったく、多感な時期だ。まるで悪童のようにふてぶてしくも愛らしい若林正恭と、寡黙な優等生春日俊彰は正反対ながらも仲の良い友人だった。コンビを組んだ当初は「ナイスミドル」という名前でやっていたが2人に華がないという理由で、華のある固有名詞の代表格「オードリーヘプバーン」からとって「オードリー」へ改名。漫才の特徴はズレ漫才。悔しかったM-1グランプリ2008年、649点。ここら辺はウィキペディアにも載っているので割愛。

 

とにもかくにも、2人は幼馴染のコンビであり、少年時代と今では長い年月の中で友人からビジネスパートナーへと関係性が異なっていった。そして今ではプライベートではほとんど会話を交わさない2人が、週に1度2時間だけ顔を合わせお互いの話をする空間があるということ。これこそがとても重要で決定的なことなのだ。

 

2人のラジオでの会話は基本至極ビジネス的だ。お笑いコンビオードリーの2人として、互いが互いの役割を演じている。春日さんはいまだむつみ荘に住んでいて今はエアロビや東大受験に挑戦している。若林さんは、お笑いを飛び越えた春日さんの仕事ぶりに悪態をつきながらも楽しそうにいじってはしゃいでいる。それはいわば用意された台本である。ただ、ふとした時2人が友人だったころの共通言語が見え隠れする瞬間がある。きっと、オードリーのラジオを好んで聴いている人の大半はこの部分が好きに違いない。

 

例えば共通の友人の名前。修学旅行で先生に怒られた話。中学時代の冴えなかった春日。西武国分寺線ラブレータを渡された春日。

 

じっくり聴いていると、彼らは彼らしか知りえない少年時代の話をこそっと落としてくれる。時に繰り返し定期的に語られるそれは、もう絶対に戻ることができない関係性への淋しさと暖かさを含んでいる。彼らはきっと2人しかいない楽屋でこの話をすることはないだろう。ラジオだからこそ話せるのは、リスナーという第三者の存在が介入しているからに他ならない。私たちは、彼らの思い出話を引き出している張本人なのだ。それを意識すれば、ラジオはもっと楽しめる。気がする。

 

そんなわけでつい先日の若林さんの熱愛報道。ラジオ冒頭で大げさに若林さんをつめる春日さんのぽろっと出たある言葉が印象的だった。

 

熱愛報道に驚きを隠せない春日さんに向かって「お前、俺のことに興味あったんだな」と嫌味っぽく放つ若林さん。

 

それを受けて春日さんはこう言う。

「だって、中学校からの友達が女優さんとお付き合いしてるだなんて驚くだろ普通」

 

(記憶をたぐりよせてるのでこの通りではないです)

 

オードリーの関係性は本当にぐにゃぐにゃとしていて、すっきりしなくて、そこが絶妙なのだ。コミカルな会話の中に、見過ごせない小さな棘が潜んでいる。まさに緊張と緩和。

 

ビジネスパートナーとなった今の2人は、気を抜くと友達だったころの名残が出てしまう。私たちは気づいたら彼らの青春時代に引っ張られ、また現在に戻されのループに振り回される。それをちょっと切ないなと思いながら、楽しむのがオードリーのオールナイトニッポンなのである。

 

以上、オードリーと、彼らのラジオの魅力が少しでも伝われば幸いです!