台湾のおじさん
台湾にはおじさんがたくさんいる。
とくに龍山寺駅周辺は多かった。近くにお寺があるからだろうか。
おじさん達は私がシャッターを向けても何も言わない。ただカメラをかまえる私をじっと見ているだけ。おじさん達は、排気ガスで曇った台湾の景色とうまく溶け込んで一体化している。おじさん達の周りには、いつも諦念みたいなものが仄かに漂っていて、なんだか物悲しい。
おじさんは2人で行動していることが多い。3人になると、1人あまってしまうからだろうか。そこら辺の感覚は私とあまり変わらないのかもしれない。私も3人よりは2人が良い。特にディズニーランドに行く場合などは。おじさん達が3人ディズニーに行くとしたら、誰が1人で乗るかじゃんけんで決めたりするのだろうか。
「親友」
「企み」
「続・企み」
「ぼんやり」
「みかんと瞳」
「吟味」
「ちょっと暇」
「することがない」
「吟味」
「商い中」
「吟味」
「誰にも邪魔されない昼食」
もし私が中国語を話せたら、おじさんに聞きたいことがたくさんあるのだ。
何食べてるの?何してるの?その服どこで買ったの?……。
台湾のおじさん達は今日も元気だろうか。